遺言書作成について
遺言書について注意事項です。自筆証書遺言のみならず、
公正証書遺言も、ご自身で作成することができます。
よろしければご参考にしてください。
遺言書に記載すべき事項
遺言書に記載すべき事項について例示します。
個々人により事情が違うため記載すべき内容も各自で変わりますが、概ね必要と思われる事項を記載しています。
相続人と相続財産(不動産)
不動産の名義を誰にするか指名できます。
遺言者は、次の財産を遺言者の長男である相続人Aに相続させる。
(1)土地
(2)建物
遺言者は、次の財産を遺言者の長女である相続人Bに相続させる。
(1)土地
(2)建物
なお、相続財産の所有権移転登記に要する費用は各相続人の負担とする。
相続人と相続財産(預貯金等)
預貯金は口座が分かる様に指定するのが良いでしょう。
遺言者は、次の預貯金等の財産(1)について下記(2)の債務及び費用等を支出した後、その残余財産について下記(3)の割合で相続させる。
(1)預貯金、出資金、その他の債権
- 甲銀行乙支店に対する預金債権
- 戊信用金庫に対する出資金
- 丙株式会社の株券
- 丁ゴルフクラブの会員権
- その他の金融機関等に対する預貯金債権、出資金、その他一切の債権
(2)債務及び費用等
- 遺言者の葬儀費用
- 遺言執行に伴う遺言執行者の報酬及びその費用
- 紛争解決に伴う弁護士の費用及びその費用
- その他電気、ガス、水道、携帯電話、インターネット、CATVの使用料及び固定資産税、所得税、住民税、自動車税等の租税公課等の支払債務
(3)相続人及び相続割合
- 前記Aに、上記財産の3分の1を相続させる。
- 前記Bに、残余金を相続させる。
なお、相続財産の名義変更等に要する費用は各相続人の負担とする。
その他相続財産(家財等動産)
家財道具も指定しましょう。高価なものは取り合いになる可能性があります。
要らない物の処分についても、その費用とともに記載しておくと安心です。
遺言者は、遺言者の居宅内における家具及び電化製品等の家財及びその他日常生活で使用していた衣料、書籍、携帯電話等の動産全てを、相続人Bに相続させることとし、その処分についても相続人Bに一任する。
遺言者は、遺言者の所有する自動車を相続人Aに相続させる。
(1)普通自動車
- 車名
- 車両番号
- 車台番号
上記相続財産の処分に要する費用は、その相続人の負担とする。
予備的遺言
遺言者は、この遺言の効力発生時において、前記Aが死亡していたとき(同時死亡を含む)は、Aに相続させるものとした財産は、Aの配偶者であるCへ遺贈する。
遺言者は、この遺言の効力発生時において、前記Bが死亡していたとき(同時死亡を含む)は、Bに相続させるものとした財産は、Aへ相続させる。
祭祀承継者
遺言者は、 墓守や法事の主宰者を指定できます。
遺言者の葬儀及びその後の法事一切を含め、祭祀を主宰すべき者として、前記Aを指定する。葬儀に要する費用は香典より支出し、不足する場合は相続財産である預貯金債権より支出する。
等と記載します。
遺言執行者
遺言書の内容がスムーズに処理されるよう、遺言執行者を指名する事が出来ます。
それにより、残された方々が事務処理に悩まされる事なく相続財産の承継が行われます。
(1)銀行、自動車等の名義変更は、○県〇市・・ 行政書士X
(2)土地建物の登記は、□県□市・・ 司法書士Y
(3)遺言執行者の報酬は〇円とする。
など信頼できる専門家を指名しておけば安心です。
紛争の処理
遺言の執行にあたり紛争等が生じた場合は、遺言執行者は、弁護士○○へ依頼する等、指定する事が出来ます。
弁護士の選任は遺言執行者に一任、も可能です。
弁護士の報酬は相続財産である預貯金債権から支出するのが良いでしょう。
付言
遺言者から、
遺言の内容の趣旨、 相続人等に対する願い、手続、関係者へのお礼やお願い等、付言として記載する事が出来ます。
日付、遺言者の名前
日付と遺言者の名前は必要です。
4月吉日は無効になります。
名前は、芸名、通称名等でも、本人であることが分かれば有効とされています。